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Fiber Optic Oxygen Sensors: Theory of Operation

動作方法 | 蛍光消失 | 校正 | 線形 (シュテルン-フォルマー) アルゴリズム |
二次項式アルゴリズム | ヘンリーの法則 | 拡散媒体 | 技術参照

動作方法

オーシャンインサイトのファイバ光学酸素センサーは、酸素分圧を測定するためにsol-gelにおける化学的複合体の蛍光を用いています。パルスの青色LEDは、光(@~475nm)を光ファイバに送ります。光ファイバはその光をプローブに運びます。プローブ先端の末端部は、疎水性sol-gel材質の薄い層から構成されています。センサーの製剤は、sol-gel基材で包まれ、効果的に固定され、そして自ら保護されています。LEDからの光は、プローブ先端で製剤複合体を励起します。励起された複合体は、~600nmで放射エネルギー蛍光を発します。励起された複合体が酸素分子に遭遇すると、超過エネルギーは非放射伝達の酸素分子に移され、蛍光信号を減少または消失します(下記蛍光消失をご参照下さい)。消失の程度は、酸素濃度のレベル、あるいはサンプル内の酸素の動的な平衡である膜の酸素分圧と相関があります。エネルギーは、プローブによって集められ、光ファイバを通して測定器に運ばれます。データはそれからOOISensorsソフトウェアで表示されます。

蛍光消失

3重項としての酸素は、特定の発光体の蛍光と燐光を効率的に消す事ができます。この影響(1939年にKautskyによって最初に解説されました)は、"動的蛍光消失"と呼ばれています。励起状態でフルオロフォアを持つ酸素分子の衝突は、エネルギーの非放射伝達に導きます。蛍光消失の程度は衝突の頻度、したがって酸素を含んでいる媒体の濃度、圧力、温度に関連しています。

校正

サンプルの酸素測定を正確に行うために、まず酸素センサーシステムで校正手順を実行しなければなりません。下記2つの主な要素はシステムの校正手順に影響を及ぼします。

  1. まず第一に、サンプルにおける温度変化を補正するか決めて下さい。温度の変動がないサンプルを測定するのであれば、温度補正する必要はありません。温度は、蛍光減衰時間、蛍光強度、フルオロフォアを持つ酸素分子の衝突頻度、そして酸素の拡散係数に影響を及ぼします。最良の結果を得るためにサンプルは一定温度(±3℃)に維持されなければなりません。温度変化の補正に関する詳細はこちらをご覧下さい。

  2. 次に、校正手順に用いるアルゴリズムを選択して下さい。線形(シュテルン-フォルマー)アルゴリズムは、既知の酸素の基準を最低2つ必要とするのに対し、二次項式アルゴリズムは既知の酸素濃度の基準を最低3つ必要とします。

未知のサンプルの濃度値を計算するために、校正曲線は基準とアルゴリズムから生成されます。二次項式アルゴリズムは、より完全な曲線適合とを供給し、その結果特に幅広い酸素濃度範囲を測定するとき、より正確なデータを酸素測定の間提供します。

線形 (シュテルン-フォルマー) アルゴリズム

オーシャンインサイトのファイバ光学酸素センサーの出力(電圧または蛍光強度)は、シュテルン-フォルマーアルゴリズムによって表わす事ができます。シュテルン-フォルマーアルゴリズムは、既知の酸素濃度の基準を最低2つ必要とします。1つ目の基準は、0%の酸素濃度でなければならず、最後の基準は、測定する酸素濃度範囲の高い側の濃度でなければなりません。蛍光が量的に酸素分圧に相関がある場合、蛍光強度はシュテルン-フォルマー方程式によって表わす事ができます:

I0は、酸素圧0での蛍光強度、
Iは、酸素圧pでの蛍光強度、
kはシュテルン-フォルマー定数です

測定する媒体で、そして一定の全体圧力と温度の環境下で、酸素分圧は酸素のモル分率と比例しています。

シュテルン-フォルマー定数(k)は、主にセンサー製剤の化学組織に依存しています。オーシャンインサイトのプローブは、時間経過で優れた安定性を示しており、そしてこの値は主として測定システムの他のパーツから独立しているべきです。しかしシュテルン-フォルマー定数(k)は、プローブ間で異なり、それは温度に依存します。全ての測定は、校正実験と同じ温度で行われなければなりません。あるいは温度モニタリングデバイスが使われなければなりません。

温度補正を行うのであれば、シュテルン-フォルマーの値と温度との間の関係は以下のように定義されます:

I0 = a0 + b0 * T + c0 * T 2
k = a + b * T + c * T 2

酸素圧0での蛍光強度(I0)は、光学構成の詳細: LEDのパワー、光ファイバ、ファイバ結合によるプローブでの光損失、そしてサンプルからの後方散乱に依存します。それぞれの実験セットアップで酸素圧0(I0)での蛍光強度を測定する事は重要です。

センサーが低レベル酸素に非常に感度がよい事は、方程式からはっきりしています。光測定のS/N比は、信号強度の平方根と大体比例しています。酸素濃度による信号強度の変化率は、低レベルで最大です。シュテルン-フォルマー関係からの偏差は、主により高い酸素濃度レベルで起こります。校正の際、二次項式アルゴリズムのご使用はこれらの偏差を修正します。

媒体の後方散乱は、プローブの集光効率を増す事ができ、観測される蛍光を上げます。非常に拡散する物質にとって重要な媒体で校正手順を行う事は重要です。光学的にクリアな流体やガスでは、これは必要ありません。

二次項式アルゴリズム

二次項式アルゴリズムは、既知の酸素濃度の基準を最低3つ必要とします。1つ目の基準は、0%の酸素濃度でなければならず、最後の基準は、測定する酸素濃度範囲の高い側の濃度でなければなりません。線形(シュテルン-フォルマー)アルゴリズムが既知の濃度基準を最低2つ必要とするのに対し、二次項式アルゴリズムは既知の濃度基準を最低3つ必要としますので、より正確なデータを提供するように考えられています。二次項式アルゴリズムは以下のように定義されます:

= 1 + K1 * [O] + K2 * [O]2

I0は、濃度0での蛍光強度、
I は、酸素圧pでの蛍光強度、
K1は、一次係数、
K2は、二次係数です

温度補正を行うのであれば、二次項式アルゴリズムと温度との間の関係は以下のように定義されます:

I0 = a0 + b0 * T + c0 * T 2
K1 = a1 + b1 * T + c1 * T 2
K2 = a2 + b2 * T + c2 * T 2

ヘンリーの法則

ガスにおけるシステムの校正、そして逆に液体でのプローブのご使用は可能です。理論上、センサープローブは酸素分圧を検出します。分圧を濃度に変換するために、ヘンリーの法則をお使いいただけます。温度が一定のとき、液体に溶解するガスの重量は液体のガスによって及ぼされる圧力と比例しています。したがって溶液上のガスの圧力は、溶液中のガスの濃度と比例しています。濃度(モル%)は、絶対圧がわかっていれば計算可能です:

酸素のモル分率 = 酸素分圧 / 絶対圧

センサーが酸素分圧を検出するので、ガス環境におけるレスポンスは、ガスと平衡の液体環境と類似しています。したがってヘンリーの法則を利用すれば、ガスでセンサーを校正する事、そして逆に液体サンプルでシステムを使用する事は可能です。

しかし、ヘンリーの法則は、水に非常に溶けやすいガスに適用しません。下記情報は、異なる温度での水においての酸素の可溶性を例証しています。

ln(X) = a + b/T* + cln(T*)

温度範囲: 0℃ - 75℃
X = モル分率
T* = T/100 (ケルビン)
a   -66.7354
b 87.4755
c 24.4526

T (C) T* (T/100K) 1気圧p02における水中の酸素のモル分率 1気圧p02(純粋な02)における重量分率(ppm) 0.209476気圧p02(大気)における重量分率(ppm)
5 2.7815 3.46024E-05 61.46203583 12.87482142
10 2.8315 3.06991E-05 54.52891411 11.42249881
15 2.8815 2.75552E-05 48.94460474 10.25272002
20 2.9315 2.50049E-05 44.41468119 9.303809756
25 2.9815 2.29245E-05 40.71933198 8.529722785
30 3.0315 2.12205E-05 37.69265242 7.895706058
35 3.0815 1.98218E-05 35.20817214 7.375267068
40 3.1315 1.86735E-05 33.16861329 6.948028438

拡散媒体

センサー製剤からの蛍光発光は、全方向に広がります。クリアな媒体では、プローブの受光角度内でファイバに対して広がっているこれら発光のみが検出されます。プローブ先端が反射面近くに保持される、あるいは非常に拡散する媒体の中に突っ込まれる場合、蛍光信号は増すでしょう。これら増加は、酸素圧での蛍光強度および酸素圧0の両方に比例しているでしょうが、シュテルン-フォルマー定数には影響を及ぼさないでしょう。この理由からサンプルの酸素圧0での蛍光強度測定は必要です。同様に、非常に拡散する媒体の酸素を測定する場合は、校正手順に使う基準は最も正確な結果を出すためにサンプルと同じ媒体でなければなりません。

技術参照

  • Wang, W.; Reimers, C.E.; Wainright, S.C.; Shahriari. M.R.; Morris, M.J. Applying Fiber-Optic Sensors for Monitoring Dissolved Oxygen. Sea Technology, March 1999, Vol. 40, No. 3, pp. 69-74.

  • Shahriari, M.R.; Murtaugh, M.T.; Kwon, H.C. Ormosil Thin Films for Chemical Sensing Platforms. Chemical, Biochemical and Environmental Fiber Sensors IX, 1997, SPIE, Vol. 3105, pp. 40-51.

  • Krihak, M.; Shahriari, M.R. A Highly Sensitive, All Solid State Fiber Optic Oxygen Sensor Based on the Sol-gel Coating Technique. Electronic Letters, 1996, Vol. 32, No. 3

  • Krihak, M.; Murtaugh, M.T.; Shahriari, M.R. Fiber Optic Oxygen Sensors Based on the Sol-Gel Coating Technique. Chemical, Biochemical and Environmental Fiber Sensors VIII, 1996, SPIE, Vol. 2836.

  • Allen, C.B.; Schneider, B.K.; White, C.J. Limitations to oxygen diffusion in invitro cell exposure systems in hyperoxia and hypoxia. American Journal of Physiology Lung Cell Molecular Physiology, 281: L1021-L1027, 2001.

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