概要

赤外分析は、1つ(または2つ)の特定の波長でのサンプル品の吸収のエネルギー量を測定する事で行われます。赤外(IR)領域の分析は、品質管理や工程管理、環境計測、物質識別検査などの用途に非常に実用的であります。弊社が取り扱いますVFA-IR Spectrometerは、固定帯域透過光学フィルタとアレイディテクタ、赤外光源、ATRプレートを組み込んだ新しいコンセプトの測定器であり、野外や製造ライン、研究所などで容易に様々な材料の反射、吸光、透過スペクトルデータを取得する事を可能にしました。

この新しいVFA-IR Spectrometerは外形寸法125 x 75 x 37mm、重量1.5kgのポータブル測定器で、粉体やフィルム、溶液、スラリー、準固体、固体の赤外分光データを取得する事が出来ます。測定用ソフトウェアは難しい操作を必要としないように開発されており、現場の作業員の方でも容易に操作が可能です。

VFA-IR Spectrometerの主な特徴

  • 測定波長範囲:2.5-4.8μm(VFA-IR-4.8)、5.5-10.5μm(VFA-IR-10.5)、および9.0-11.0μm(VFA-IR-11.0)
  • 光源一体型(オールインワンパッケージ)
  • 小型 (125 x 75 x 37mm)
  • 軽量 (1.5kg)
  • USBまたはシリアル接続
  • 可動する部品が無い
  • 赤外光が大気に曝されないため、大気の水分の影響を受け難い
  • サンプル品の前処理が不要
分光器の種類と内部構造

反射型と透過型の2種類
アプリケーションによってどちらかを選択

反射型 ATR (減衰全反射法)による反射率測定 透過型 キュベット、セル、カードを使った透過率測定

反射型の内部構造



VFA-IRの内部構造は、主にATR(Attenuated Total Reflection)プレート、赤外パルス光源(Source)と可変フィルタ付きアレイ焦電素子(パイロ素子)で構成されています。光源から発光された赤外光はシリンダーレンズで集光され、ATRプレート内を伝わって行き、再びシリンダーレンズを経由して64素子のリニア焦電素子で受光されます。受光される赤外光は、リニア焦電素子の表面の可変フィルタにより各波長に分光されます。

測定原理は、ATRサンプルプレートにサンプルを載せた時に、サンプルがATRプレート内を通る赤外線を吸収します。サンプルを載せていない状態をリファレンスにして、サンプルを載せた時の反射の減衰(吸光)より反射率を測定します。

透過型の内部構造

VFA-IRの透過型の内部構造は、赤外パルス光源(Source)と可変フィルタ付き焦電素子(パイロ素子)で構成されています。細長い空間に設置されたパルス光源から発光された赤外光は、測定サンプルを通過して64素子のリニア焦電素子で受光されます。受光される赤外光は、リニア焦電素子の表面の可変フィルタにより各波長に分光されます。液体の測定には専用のキュベットまたはシールフローセル、フィルム等の測定には専用のカードホルダが必要になります。
シールフローセル カードホルダ

和文PDFカタログはこちらをご覧下さい。




最終更新日2006年6月6日